京都の老舗

京都の老舗の歴史

京都の老舗を訪ね歩く

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太平洋戦争では他の大都市のように戦災は蒙りませんでしたが、
明治維新による新しい時代の始まり(禁門の変と東京遷都)と
共に京都の老舗は大打撃を受けています。

しかし、その試練に耐え、また歴史のある町だけに
顧客の目は相当に厳しいものですが、江戸時代以前から継続して代々
顧客たちに信頼されてきた店を本物の老舗と定義づけて、
京都の老舗をご紹介しましょう。

看板のない店も多く、屋号を記した小さな暖簾の前で
これがかの有名な○○かと驚かれることもままありますが、
そこを探し当てる楽しみも旅の喜びのひとつではないでしょうか。

中に入いりにくいお店があるかもしれませんが、
それならしばらく前に佇んで伝統に裏打ちされた老舗の重みを
感じ取っていただきたいものです。

あまりに多くの老舗が京都にはありますので、代表的なお店しか
ご紹介できず、一部は屋号のみにとどまることをご容赦ください。


また、後継者がなくいつの間にか閉店されていることも
あります。実際この記事を書いている間に老舗がひとつ
消えてしまい、寂しい思いをしています。
常にチェックはしていきますが
その場合はお知らせくだされば嬉しいです。


たる源

十三や
花街祇園に息づく伝統は小物抜きには語れません。 
1865年の創業で、すべてが手づくりのかんざしや櫛の専門店
かづら清の繊細なデザインと豪華さは見ていていつまでも飽きることはありません。

また、十三やは万葉の時代から日本人に愛用されてきた
黄楊櫛一筋の京都でただ一軒の老舗です。
大通りに面したつい見過ごしそうになる小じんまりした店先に
さまざまな上品で素朴な櫛が並んでいます。

西洋からきた香水にあたるものは平安文化とともに広がっていった薫香ですね。
1663年の創業で薫香から筆墨硯紙、日本画材など整然と陳列されている
鳩居堂は儒学者の室鳩巣から屋号をとったそうです。
薫香の代名詞松栄堂と双璧をなしているのではないでしょうか。

富岡鉄斎との交友が深く、扇一筋にのれんを守ってきたのが
宮脇売扇庵で、京扇堂も150年の伝統をついでいます。

扇と似て非なる団扇一筋は阿以波で鮮やかな意匠を特徴としています。
元禄時代に始まる琴の琴伝は何代か前までは自家で製造していました。

足袋一筋の店は分銅屋。原型の鏨や、種類ごとに
文数を書いた箱が並ぶ店内はいかにも手づくりの老舗の
雰囲気が伝わってきます。
長身のため足のサイズも大きく、既製品では間に合わない私の妻は
嫁入りにこちらで足袋を揃えたそうです。

京都の筆頭産業、呉服業界では最盛期の頃から業者は激減し、
老舗といわれる店もかなり少なくなりましたが、その中でも
1604年の創業で装束・法衣の注文生産からはじめて
明治維新を機に友禅染めの製造販売に転向した千総
現在に至るまで分業生産が主である業態の中で、製織から染め加工まで
一貫制作をしており京都で代表的な老舗です。

近江商人で有名な五個荘の出身者が1700年に創業した
外与は織物から総合繊維商社に発展しています。

西陣からは1788年の創業以来、帯一筋に精緻さを継承する
服部織物を挙げておきましょう。


漆は英語でジャパンというように日本を代表する技術ですが、
漆器といえば京漆器を指すように多くの老舗があります。

1661年創業の象彦はで伝統的な蒔絵の技術継承に注力して
茶道具も数多く製作し、海外でもその名を知られる蒔絵業界有数の老舗です。
高級漆の精製から漆器製造まで行う井助商店
神社仏閣の構築物から仏具に至るまでの漆師である平尾総本店
茶道具の中村宗哲岡本八造商店大西漆器店が肩を並べます。

茶道具 ・ 仏具 ・装飾品などの錺(かざり)金具は竹影堂
寛政時代から伝統的な金属工芸の技術を継承しています。

掛け軸などの表具発祥の地京都にあって1856年から続く老舗といえば
春芳堂の名前が挙がります。

「籠新」の屋号で有名な森田竹阿弥は1819年創業になる
竹細工の店で表に竹製品と機材が並べられており、
中川竹材店も美しい竹販売の店です。

すだれなら西河みす平は神社仏閣、
書院造りに欠かせない御簾一筋の店です。

竹とくれば釣り好きの方には京竿の竿伊があり、
弓がずらりと並ぶ御弓師柴田勘十郎は400年の伝統を誇ります。

桶一筋のたる源は風呂桶や料理桶、花桶など精巧な技術で
決して漏れない桶作りをしています。

しもた屋風の小さな店で、30年ほど前に東京の友人に頼まれて
湯豆腐桶を買いに行ったとき、何度も店の前を通りながら
しばらく気付かなかったほどです。
完全注文生産のはずなのに何故か話し込んでいるうちに
2個分けていただいた思い出があります。

豆腐と言えば湯葉ですね。
京都を代表する名産品のひとつ、京麩と京ゆばの半兵衛
元禄年間から京の人々に愛され続けています

歴史があるということになると、ここより古いところは
そうそう見つかるものではありません。
宇治橋の袂にある通圓は平安時代末期1160年の創業に
なりますが、お茶の商い一筋で今日まで続いています。
世界でいちばん最初にお茶の商いをした店だそうです。
23代目のご当主はおよそ老舗のしかめっつらしい主人の
イメージとは違って温厚な優しい方ですよ。

観光客が絶えることのないお茶の一保堂茶舗は1717年の創業になり、
茶、茶器などを扱う店として出発しました。

箸の専門は江戸期に禁裏御用をつとめていた市原平兵衛商店で、
この店の職人が発明した「夫婦利休箸」が割り箸の始まりでした。

刀鍛冶の技術を受け継ぐ京刃物の安重打刃物店
元禄期の創業といわれ、1631年創業の常久刃物店は都の
刀鍛冶の遠祖を持ち、常信では刀剣刃物商の看板を掲げています。
とはいっても刃物だけでなく様々な金物を取り扱っています。

京人形は田中彌中山人形店が両雄で豪華な雛人形から
可愛らしい京童まで、その技術の冴えが光ります。

数多い神社仏閣と関わる京都ならではの老舗は仏具の乾大仏堂
なんと鎌倉時代の創業で明治初期までは仏像専門に製造していたそうです。

同業は若林仏具製作所で、
井筒黒田平七装束店荒木装束店では法衣、
神職の装束を取り扱い、数珠は安田念珠店今井半念珠店
数百年の伝統を継いでいます。

今どき信じられないような存在が、漢方薬の目薬の
製造販売をしいている井上清七薬房。全くの家伝薬ですが、
効き目があるから300年もの間続いているのでしょうね。
ただ、こちらは何年か前からもう営業はされていないようで名前がかすかに
読める黒っぽい看板だけがかかっています。ちょっと残念です。

顧客があるから続いていると納得せざるを得ない品物があります。

張りぼてと柳行李を手作業で造り続ける奈良吉、和傘の辻倉商会
、柿渋の渋新、謡本の専門店檜書店、煙管の谷川清次郎商店

若い方には品物自体がどんなもので何の用途に使われるのか
見当も付かないものがあるかもしれませんね。

宿は柊屋俵屋が代表的な名旅館として聞こえていますが、
料理や調度品に加えて細やかな心配りがさすがに
京の老舗と感じさせてくれます。

千切屋綿善近又近太旅館
坂本龍馬で有名な寺田屋はいずれも江戸時代の創業です。

みす平

谷川清次郎商店

田中彌

寺田屋
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